以前、実家から大量に届いたゆず。
まとめて下ごしらえし、冷凍用に少し皮と果汁を取り分けたら、残りで柚子茶をこしらえました。
風邪予防に、この冬の間、ちまちまと飲んでいこうと思っています。
さて、世間では仕事納めウィーク。かくいう私も、会社員のときほど明確な線引はないにせよ、気持ちの面で一区切り。一応、仕事を納めました。
2020年、ほんとうに全世界の、いや全地球の皆さまお疲れさまでした……とお互いを称え合いたい気持ちです。
そして、ここ数日は伝票整理をしつつ、その日付とともに「あのときはこんな状況だったな」とか「こんな気持だったな」という気づきがありました。せっかくなので、1年の振り返りを言葉で残しておこうと思います。
今年のキーワードは3つ。
「やらないことを決める」
「来た波には乗ってみる」
「自分軸でものごとを決める」
「やらないことを決める」
フリーになって以降は仕事の範囲は自分次第。そのため、もともと馴染みの領域でもあった編集物のディレクションや執筆まで、そちらの分野でも引き続きお仕事をしていました。そして突如はじまったコロナ禍な世界。仕事が、保育の場が奪われ、子どもたちと過ごした自粛期間。物理的に動けなくなったもどかしさはあれど、赤子をおんぶや抱っこしつつ、とにかく考えに考え尽くした日々でした。
それは“主観的”な好きや得意、“客観的”な好きや得意を見つめ直す作業。
その結果、今年の後半は、完全に「食」に仕事を振り切り動きはじめたのでした。
ずっと好きで仕事としてやってきた「編集」や「ライティング」はライスワークからライフワークへ。しばらくは“自分専用の顧問編集者”のような感じです。
この点はとても勇気がいったし、個人的には大きな変化だった年でした。
「来た波には乗ってみる」
そして、そんな折、たまたま出会ったのが「スタイリング」という仕事でした。
振り返れば、私は夫と学生時代からの同級生だったこともあり、結婚前から自宅に友人らを招いて食事を囲む機会が多くありました。
メニューを考える→作る→盛り付ける→並べる→食べる(→そして「おいしい」の一言がもらえたら……そりゃあ最高)
この一連の流れのなかで、どこが一番好きですか?
と聞かれれば、私は、なかでもできあがって盛り付け並べる=食卓の上の風景を作り込む作業が好きだったなあと。
生産者さん、シェフや料理家さんのように、直接の作り手ではないけど「おいしさ」を伝えたい。「食」の素晴らしさを伝えたいという気持ちは同じ。
それは、会社員時代のクライアント=メーカーやブランドのように、直接ものを生みだす「作り手」ではないけど、その価値や良さを世の中に広める、遠くまで飛ばすためのお手伝いができるんではないだろうか。
それが自分も好きで得意だし、広告業界で仕事をしてきた自分に求められている部分でもあるんじゃないかと。
以前、周りからそのことを指摘されたときはいまいちピンときてなかったんだけど、ある日突然、そのことが腑に落ちたのです。自分のなかでの納得感が大事(それがないと前に進めないタイプだったり、、)。
そのスタンスは、これまでビジュアルやクリエイティブの制作に携わり続けてきた理由と通づるものがあるのではないかなと。
そんな風にも思っています。
その手段の一つとしてのスタイリング。
ただ見栄えを良くするだけではない。その仕事の“ほんとうの意味”を実体験をもって理解できたことも、その仕事の奥深さに触れ、気づかされ、大きく舵を切ったきっかけでもありました。
「自分軸でものごとを決める」
ふだんなら他人の仕事や働きぶりを見ては、焦ることも多かったのだけど、自粛期間で多くの人と関わるよりも、否が応でも自分の奥底まで掘って掘って掘っていたような時間。
「どうしたい?どうなりたい?」と自分の心に問いかけ続ける作業がとても大切で、それがぶれない軸を作ることに繋がるのかなと感じています。
個人で仕事をすることは、一つのアクションにものすごくエネルギーを必要とするし辛く苦しい局面も多々あるけど、達成感も強い。
そんなことを節々で感じた1年でした。
こんな感じで、抽象的な部分では大まかな方向性、動くべき道標みたいなものは見つけられた気がしていて、来年はより具体的に仕事内容や収入の面でも目標をしっかり定め(どうしても具体性に欠ける文系出身……)積み上げていけるといいな。
最後に、今年関わっていくださった皆さま、本当にありがとうございました。
2021年も皆さまにとって健やかに、こころ豊かな一年でありますように。
それでは、よいお年をお迎えください!
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寺田さおり