今日から2月とは……!
「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」といわれるように、今月も猛スピードで進んでいく気がしている。

さて、1月中旬に京都へ行ったとき、どうしても立ち寄りたかったお店があった。

「京都 桔梗利 内藤商店」さん。

三条大橋のたもとでたわしとほうきの専門店を営んでおり、創業200年以上だとか。すごい。

三条大橋なんて大学生の頃に何百回と通っていて、お店のある場所もよく知った場所なのに知らなかった……。
あの頃は外にばっかり目が向いていたし、それはそれで良くて、今はまた違った視点でこの街を見ているんだろうな。

お店の佇まいからグッとくる……。

許可をもらって店内も撮影させてもらった。
さまざまな形、大きさ、硬さのほうきやたわし、はけが並んでいる。

最初はどれを選んでいいか分からず、お店の方に尋ねると、用途や素材などくわしく教えてくれた。お店にあるものはどれも棕櫚(シュロ)や竹、馬毛など天然素材で職人さんが作っているのだそう。値段も数百円のものからある。

台所でスポンジじゃ落としきれない、土鍋のこびりつきや激しい汚れを落とすための食器洗い用のたわしと、野菜を洗うためのたわしを探していた。今回は通常の形のものと筒形の細長いものを購入(玄関の掃き掃除のほうきも探していたけど、大きくて「さすがに東京まで担いで帰れないかな…」と思い諦めた)。

以前、仕事で料理家さんのお宅にお邪魔してキッチンを使わせてもらったとき、細長い形状のブラシが力が入りやすくて便利だな〜と思って、それ以来探していたのだった。

持ってみても全然手がチクチクしない!やわらかいのに、毛一本一本がしっかりしている。

「たわしの間に食べかすやゴミがついたら、すぐに思いっきり振って取っておいてね。放置しておくと取れなくなっちゃうから。すぐ振れば落ちてくるよ」と教えてくれた。

それ以来、家でガシガシ洗ったらたわしをブンブン振っている。

たわしひとつとっても美学が詰まっている。生活は「生きる」の実験の場だなと思う。