タイトルは昔から信条にしている、というか好きな言葉。

本日はちょいと熱めのお湯加減となっていますが……ご注意ください。笑

 

きっかけは、とても好きな文章を書くライターさんでもある一田憲子さんのこちらの記事を目にしたこと。

本当にやりたいことは、自信がなくたって、不安だってやるんだよ。つまり、自信を持つって「自分を信じよう!」って腹を括ることなんじゃないかなあ。

「どうしたら自信が持てるのか?」とその方法を探すよりも、「自分を信じて続けられるほど好きなこと」を探す方がずっと近道なのだと思います。

この一文にめちゃくちゃ納得……。

これまで、自分の思考の整理がてら、ここにたどり着くまでの経緯(全5回の連載です。笑)を記してきましたが、つまるところ「やっとこさ、腹を括れたのよ」という話だったなあと。

 

そして、少しずつ足を踏み入れてわかったけど、料理の世界は本〜当にあらゆるジャンルの、多岐にわたる仕事があるし、知れば知るほどそれぞれの道にスペシャリストと呼ばれる人たちがいて。
あらゆる側面で上には上がいる……!と思うこともしばしば。

 

私自身はというと、自信なんてひとつもなくて、むしろ、もともと私は料理に苦手意識があったしコンプレックスばかりでした……(ものを作ること全般は好きだったし、もちろん楽しんで料理できる時間も多かったけど)。

 

管理栄養士さんのような栄養のプロでもなければ、海外の料理学校を卒業したりしてお店で腕を振るう料理人でもないし、毎日、インスタ映えするような料理を何品も作ることもできない……。

ただ、あるのは、食に苦しめられ食に助けられてきたからこそ、あのころには二度と戻りたくない!という半ば恐怖心のような想い。

それと、不器用にも仕事・家事・育児を何とかこなしながら、家族の健康と「おいしい」の顔を思って、自分なりのこだわりを持って日々の献立・食卓を作ってきたこの5年間の主婦生活。

食事作りは、休むことなくほぼ毎日、多いときには1日3回のことだから、悩んで悩んで、時に投げ出したくなったり(会社員時代はほとんど投げ出したに等しい時期も……苦笑)。
でも、家族がいるから、無事に投げ出すことなく……というか、完全に投げ出すということが物理的にも精神的にも不可能で(笑)ここまできました。

 

紆余曲折を経て、日々試行錯誤しながら作ってきた献立や食卓。

プロでもなんでもない「ふつうの主婦」だからこそ、伝えられることがあるはず。

同じ、ふつうの主婦だから、少しでも家族や大切な人の顔がほころぶような料理を作ってあげたいと思う気持ちが分かるし、日々の暮らしや習慣のなかに、少しずつ食卓を、自分を変えられることがあるはず。

だから、せっかくなら家庭料理と本気で向き合ってみようと、腹を決めたのでした。

 

そして、ほんの2年半ほど前まで、いつまでも子どもの気でいて想像ができなかったけど、自分にも今こうやって子どもが生まれ、母親という新たな役割が加わり、この子たちに何を食べさせて何を繋いでいきたいかということも、うーんうーんと深く考えるように。

 

毎日同じように見える日常のなかで、家族や大切な人たちが食卓を囲んで「わあ!おいしい」って(ちょっと沸いてくれたりなんかして)、それにプラスして、ちょっと身体にいいものが摂れたり、伝統的な食文化に触れられたり。

そして、あわよくば、それが簡単にできちゃえば最高……(このあたりが“発酵”の魅力にとりつかれたわけ)!
というのが理想の食卓。

そういう食卓を伝えてければと心の奥底にそんな想いを秘めつつ、ふつうの主婦・母親目線の家庭料理を、レシピや献立に落とし込んでお伝えしていければいいなと思っています。

 

料理も、書くことも、本気で向き合うという覚悟ができ、そこから少しずつだけど、徐々にやるべきこと、道が見えてきたよ、という話。

時間はかかったけど、そこは本当に大切な部分だったなぁと。

まだまだスタートライン。

家庭料理は一生続くもので、暮らしは仕事も遊びも含めたすべてのベースとなるもの。

食べたものはわたしたちの血や肉となり、身体を作り、心も作る。

 

そんなことを伝えていけるように、一歩一歩、積み重ねる日々です。