先日、実家に帰省していたら夕焼けに染まった空がきれいで、思わず表に出て、パシャリ(眼の前の、遮るもののなさよ笑)。

さて、前回は発酵文化や郷土の味を知ったきっかけのお話でしたが、その続きと、そこから、いま少しずつ見えている未来の話を少し。

発酵生活を、はじめてみる

飲む点滴といわれる甘酒、揉み込んで置いておくだけでぐっと素材のうまみを引き出してくれる塩麹・醤油麹や味噌、ダイレクトに血圧を下げてくれるお酢(もともと酸っぱいもの好きなので、酢が血圧によくてよかった)など……

その、無添加で、伝統的な発酵調味料の効能を知れば知るほど、発酵文化というものの魅力にはまり、日本の、先人の知恵に感動しきり。
周りの知人にすすめたり、仕込んだ手前味噌や塩麹を家族・知人に分けたり、少しずつ発酵を生活のなかに取り入れはじめました。

すると、少しずつですが、身体と心に変化が。

まず、幼い頃から便秘症で薬が手放せなかった私。
大人になってからも、常におなかが重たい感じがして、それに伴って身体全体もだるく、長年、便秘は悩みのタネでした。
それが、発酵生活をはじめて、気づけば意識しなくなるくらいに解消されほぼ毎日お通じがあるし、忙しくなるとさんざんできていた吹き出物も、最近ではすっかりご無沙汰に。

それに、は、心身のストレスや心の不安定さを食で解消するくらいだったので、きっと今より、心の浮き沈みも激しかった気がします……(いろいろあるよね、人間だもの)。

こちらの記事にもさらっと書いたけど、興味本位で腸に関する本を読んでみると、腸と心の関係を科学的に私たちの体にある“幸せホルモン”とも呼ばれる「セロトニン」は、その90%が「脳」ではなく「腸」で作られているんだそう。

つまり、極論、腸内環境を整えれば、腸がさらにセロトニンを分泌し、幸福感が増す、という原理。

食べることが整うと身体が整い、心も整う。

つまり、生きることが整う。

これは、20代はじめのはちゃめちゃな食生活を経て、病気もして、骨の髄まで身に染みて、いま、ようやく分かったこと。

いまは、発酵をつかった和食・一汁二菜をベースに、日々の食事作りを組み立てるようになって(子どもも小さいし、ハレの日とか、洋食も作るけど)。

「身体を想う食事」を学んだりして、こうして、食の軸というか、何を食べれば自分を通常運転に戻せるか、その方法がなんとなく分かってきて。

いつからか

ちゃんと食べてるから大丈夫

とも、思えるように。

そして、なんとなく、思考も精査されて、昔より生活自体もシンプルになってきた気がします。

これからの、思いとか

こんな感じで、とにかく私にとってはメリットしかなかった発酵生活。

こうして、いつしか
「この日本の国菌・麹の魅力を伝えていきたい」
とぼんやりと、思うように。

なおかつ、現在進行形で、味覚が極めて敏感な子ども(今はイヤイヤ期真っ只中、偏食気味です…)相手に食事づくりに悩むことも多く……

少しでもおいしい=子どもに食べさせたい!と思うものを、楽に(ここも重要。もともとはズボラな性格なので……)作れるか。
でも、基本の下処理などはなるべく手を抜かず、調味料を足すとか見た目の派手さはないけど、もともと素材が持っているうまみや出汁の味がしっかり感じとれるような、そんな引き算の料理を極めたい!

そして、
同じように食で悩む母たちの気持ちが分かるから、食卓から母たちの笑顔を生み出したい(母が笑えば家族も笑う=大抵、家のなかは明るくなる、というのが個人的な信条…)
と思うようになっていきました。

さらに、田舎出身だから分かるけど、これまで、新鮮でおいしいもの、魅力あるものが溢れているが、後継者不足や金銭的厳しさに直面するものづくりの作り手を目の当たりにし

ストーリーがあるものづくりを応援したい

という思いもあり……それは、農作物の生産者はもちろん、蔵元、器や台所道具の開発者など。料理を通してなのか、文章や写真といったコンテンツなのか、何かしらの形でそれらの“伝え手”になろうと。

これらの思いが明確に見えたいま、あとはやるだけ。

そう思って、それまで勤めた広告代理店を思い切って退職しました、コネとかアテとか何にもなかったけど(思い切りの良さだけは、昔から定評がある)。

そして、再出発をした今、食の作り手(フードコーディネーター)・伝え手(ライター)という枠組みのなかで面白そうなもの・ことに首を突っ込みつつ、ただただ、走りながら考え、考えながら走っている真っ最中。

我ながら、これまで日々迷いながらも、そのときそのときで目の前のことに精いっぱい力を使ってきたつもり……

でも、まわり道を含め、一度は諦めた食の道(実は一度、食について深く思うことがあり、20代半ばで料理家のアシスタントに応募したことも)を歩きはじめました。

しかも、今は幼い子ども(しかももうすぐ+もう1人……きっとてんやわんや)もいて、祖父母も近くに住んでいるわけでもないし、本当に、いばらの道というか、道なき道を行っている感じ。

だから、そんな母ちゃんの奮闘ぶり(妊娠、出産、子育てなど)も含め、ありのまま記していくつもりですので、またお読みいただければ嬉しいです◎

あ〜徐々に熱くなってしまった……大丈夫でしょうか。笑
それにしても長かった……(笑)

本当に、貴重なお時間を割いて、お付き合いいただき、ありがとうございました!

ー完ー