長崎県波佐見町。
取材で波佐見焼の産地を訪れました。ここでは記事には使われないアザーカットとともに裏側の記録を。
都内の雑貨店で波佐見焼を初めて見たのが10年以上前。カラフルでつるっとした手触りの、スタッキングできるカップが積み上がっている光景が印象的で記憶に残っていた。
波佐見焼がどうしてここまで拡がったのか。ずっと疑問でした。今回、滞在はほんの数日だったけど現地の空気にどっぷり浸かって、その所以を垣間見させてもらった。やっぱり机の上だけでは分からない、生きた情報に触れられるのは現地ならでは。ぜいたくな時間でした。
波佐見の夜は早い。
18時にはパタンパタンとパソコンを閉じて居酒屋さんに入れば、隣の席も後ろの席もみんな知り合い(!)。町全体にオープンな空気感が流れていて、波佐見焼がいちメーカーにとどまらず、地域全体で発展を遂げてきた理由なんだろうなと感じました。
長崎の小さなこの町で、ランチに入ったカフェは平日の昼間、そこそこの席数があるにもかかわらず20〜40代の女性やカップルで溢れていて心底おどろいた。
わたしの地元にも県外から絶えず人が訪れる店がいくつかあるけれど、そこにはいつも「世界観」があって「文化」がある。地方だって都心だって本質は変わらないのだと思う。
まだまだ波佐見、ひいては焼きものの世界の入り口に立ったばかりだけど「うつわの産地・窯元取材」はずっとやりたいことでもありました。
だから、波佐見にいるあいだは耳をそば立てて、一瞬たりとも見逃さないように目を凝らして。感動したりちょっと反省したり、感情も忙しかった。仕事的にはここからが本番なのだけど…感じたこと、温度感を記事にのせられるようがんばります。
わたしがうつわや料理に惹かれるようになったのは、その土地の風土を宿しているからなのだと思う。
北欧やヨーロッパの景色にあこがれを抱きつつも、生活をしていれば「どうしたって自分は日本人なのだ」という現実を突きつけられる、いい意味で。
ずっと日本に住んでいて知った気になっていてもまだまだ知らないことだらけ。やっぱり地域っておもしろい。
地域編集に思うこと
かつて「地域編集に携わりたい」と思っていたけれど現実はそう簡単ではなくて。結婚によってその土地から離れることになったり、出産を機にひんぱんな出張は難しくなったり。
物理的に通うことが難しくなったときに、外から来た人間がやいのやいの口を出ししてコンテンツを作るのは失礼なことだな、と思っていた。だから自分の住んでいる地域以外のコンテンツ制作にはほとんど携わってこなかったのだけど……。
でも、今回こういう機会があって、頑なに0か100の二者択一にしなくてもいいのかな……と少し思えた。地域編集との向き合い方に少し変化が訪れた気もします。
長くなりそうなので、今日はこのへんで。
ちゃんぽんおいしかった〜!太麺愛。カステラ、皿うどんと並んで、しばらくわが家の長崎ブームは続きそうです。
「#46 波佐見焼、取材記」へのコメント
コメントはありません