先日、「書くこと」をテーマに、投げかけられた質問に答えていく形でオンラインでの対話をした。職業柄、ふだんは「話を聞かせてもらう側」に回りがちなので、インタビューを受けるという体験は新鮮だった。
11月に制作したZINE「うつわと人 Vol.01」を買って読んでくださった方がInstagramのDMから連絡をくれたことがきっかけで、気づけば1時間半もしゃべっていた。
「書くこと」を軸に幼少期から振り返って人に話すことはあまりなかったので、忘れていたことやぼんやりしていた思いがくっきりと見えてくる感覚があった。
書くことの原体験として覚えているのは、まだ字も書けなかったであろう保育園児のとき。
両親が共働きだったので祖母と過ごす時間が多く、祖母は自宅で縫製業を営んでいた。その祖母が工場(こうば)でミシンをかけている横で、ノートに「〜」に似た鳥のような文字になりきらないものをたくさん書いていた。
それは、祖母や両親ら大人が紙に文字を書く時、手元のペンの動きが「かっこいい」と思って真似していたことをぼんやり覚えている。
そこから
・口下手で引っ込み思案だったわたしが、紙の上ではスラスラ話せるような気がしていたこと
・国語の授業で作文の時間が何よりもワクワクしていたこと
・小1で書いた読書感想文がコンクールで入賞した一方、同時期に右手を骨折してしまい泣きそうになりながら左手で清書したこと
・中学生の職業体験のとき、図書館で職業図鑑を見ていてライター・編集者という職業を知ったときのこと
・高校時代は音楽に没頭し、音楽と書くことをかけ合わせて何かできないかと考えていたこと
・就職活動で新聞社を視野に入れるも、あまりにも男社会で、仕事も暮らしも両立したかったわたしは尻込みしてしまったこと
「書くこと」を軸に断片的な記憶をかき集めていった。
ただ新卒で就職したのはWeb制作会社だったし、職業人として「書くこと」の周辺にはいるんだけど、ど真ん中にいくまではまだしばらくかかるのですが……(長くなるのでまた今度書きますね)。
人と話すとしばらく開けていなかった引き出しを久しぶりに開けられたり、自分でも気づいてなかった部分を指摘してもらえたり。思いがけず「薄々気づいてんだけど、やっぱりか〜」みたいな課題?痛いところ?も気づいちゃったりして。
何よりも……やっぱり、人と話すって楽しい!