先日、豊洲市場に行ってきた。

仕事で使う食材や資材の仕入れに築地にはたびたび足を運ぶのだけれど、豊洲は初めて訪れる。

観光客がひしめく飲食店街を通り抜け、目的地はただ一つ。包丁専門店「有次」に行くことだ。

実は、1年半ほど前に有次のペティナイフを購入したのだけど、錆が強くてなかなか取れなくなってしまい、プロの手を借りたいなと思ったのだった。

そこでホームページをのぞくと「包丁研ぎ講習、再開しました」との文字が。

これは!絶好のチャンス……!

仕事でも家でも高頻度で包丁を使うので、これまでシャープナーを使って研ぎはしていたものの、なかなか切れ味の改善が見られず……やっぱり砥石で研ぐことを覚えたいなぁと思っていた矢先だった。

オンラインで予約をして待つこと1ヶ月。

有次の豊洲のお店に着くと、担当してくださる包丁研ぎ師の方が待っていてくださった。

講習は1〜2名の少人数制。この日、お誘いしていた人はいたものの都合が合わずマンツーマンに。

まずは包丁の種類、砥石の種類など包丁を研ぐうえでの基本的な知識を座学で教えていただく。

そのあと、いざ実践!まずはお手本を見せていただきながら自分でも研いでみる。

講習用に持ち込んだ自前の牛刀で、包丁の角度、指の置き方、刃を安定させるための研ぐ姿勢、スピードなどなど。細かくチェックしてもらった。うっかり手を研ぎそうになると「そのままやると、私みたいに指先に穴が空きますからね〜」と冗談混じりに指摘してくれる。

プロにチェックしてもらえる安心感。

研ぎ師さんの指先を見ると複数のばんそうこうが貼ってある。

1日に何十本と研ぐから、少しずつ指が包丁の上からずれ、気づくと砥石に当たっており、指先が削れてしまうのだそうだ。

もう一本、サビが落ちなくなってしまった鋼のペティナイフは、別の研ぎ師さんがメンテナンスをしてくれた。

座学〜実践で研ぎ終わるまで約2時間。マンツーマンでみっちり教えていただいて、お値段2200円(税込)……!

「以前は無料でやってたんですけどね。いきなり当日いらっしゃらないということもあって今年から講習代をいただくことにしたんです」

無料!?立派なプロの技術なのにびっくり……。

自宅に帰って、さっそく講習で研いできた包丁を試してみる。シャープナーでは実現しきれなかった切れ味の良さは、これまでになく感動。ストレスフリー。

「切れ味を確かめるなら、トマトがいいですよ」とのこと。たしかに、切れない包丁で、とくによく熟れたトマトの切れなさったらない。

ふつうの人なら包丁は一生、日常的に使うわけだし、わたしみたいに家族がいればなおさら、毎日使う。

少しでも料理をするなら、道具のメンテナンスの仕方は学んでおいて損はないかな?と思う。

何よりも切れ味のいい包丁を使うと格段に料理が楽しくなるし、その逆もしかり。

おいしく食べたいからこそ、道具も手をかける。